音楽スタジオファイル Vol.53
BASS ON TOP 高田馬場店
- BASS ON TOP高田馬場店 について
- 関西を拠点にスタジオ、ライブハウスを展開するベースオントップの東京3号店となる3タイプ計11部屋のバンドスタジオ。広々15帖の505・506にはボーカル・ドラム独立モニター、DWのドラムセットを導入し、プロレベルのライブリハーサルにも対応。鏡面およびカーテンも各部屋に設置。居心地の良いロビーは完全分煙。DAWを利用したお手軽レコーディングとして評判の「稲荷REC」はコストパフォーマンス抜群。バンドマンの活動を力強くサポートしてくれる。高田馬場駅から徒歩1分。
- BASS ON TOP高田馬場店 お問い合わせ
- BASS ON TOP高田馬場店公式サイト
新宿区高田馬場1-33-14 サンフラワービル4F
TEL:03-3203-9502
受付時間:平日 AM10:00~AM5:00 / 土日祝 AM8:00~AM5:00
音楽スタジオの中の人に話を聞いてみた〜 BASS ON TOP 高田馬場店 編
このコーナーは音楽スタジオでミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューして、色々お話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日はバンドスタジオのBASS ON TOP高田馬場店、主任の大塚仁徳さんにお話をお伺いします。前回の池袋北口店から続いて、都内3店舗目の取材となります。高田馬場店のオープンはいつになりますか?
2009年1月31日のオープンになります。前回、取材して頂いた池袋北口店の1か月後にオープンしました。
立て続けの都内店舗オープンだったのですね。大塚さんが入られたのはいつ頃ですか?
僕は、昨年(2017年)の6月に入社しました。
比較的、最近の入社ですが、すでに店舗の主任をご担当されていますね。
ベースオントップに入る前に、音楽イベントの企画などを手がけていた経験も踏まえて、いろいろ幅広い仕事を任されています。
リハーサルスタジオの業務でイベント企画のようなお仕事があるのですか?
はい、入社して半年くらいしてから「イベントをやってみない?」という話があり、いわゆるブッキングという形でライブ企画もおこなっています。
高田馬場店発のライブイベント、ということですか?
そうですね。ベースオントップの系列ライブハウスを活用して、高田馬場店をご利用いただいているお客様限定のライブを開催しました。
大塚さんの経験が活かされているのですね。スタジオの現場と、ライブ企画と忙しそうですが。
僕としては、企画もしますが、どちらかというと人と話すことや、みんなで楽しいこと、盛り上げることが好きなので、性格的にも合っていると思います。
それでは、高田馬場店スタジオの特徴を教えて下さい。
サウンド面では、前回取材していただいた池袋北口店と同時進行で作ったスタジオなので、部屋の鳴りの仕様や、ドラムセット後ろに反響用コンクリートを仕込むなど、共通点が多くなっています。また改装でロビーを広くして、吸う人も吸わない人も、快適に過ごせるよう、分煙システムにしました。
どの店舗でも同じような音環境で練習できるのですね。高田馬場店の客層は?
大学や専門学校があるので、学生さんのバンドや軽音サークルでのご利用が目立ちますね。また、ターミナルエリアですので、高田馬場に集まりやすい各沿線で活動するバンドマンにご愛用いただいています。
高田馬場は学生が多く、アクセスも良いので、同業のリハーサルスタジオも相当数ありますね。
音楽スタジオの数はとても多いですね。1駅のエリア内にあるスタジオ数は、都内でもトップクラスの数じゃないでしょうか(苦笑)
激戦区の一つと言ってよいかと思います。音楽不況とも言われていますが、影響はありますか?
そうですね、現場の体感としてですが、音楽スタジオの利用者自体が少なくなっている感はあります。
大塚さんとしては、そういったスタジオ業界全体の現状も含めて、どのような取り組みが必要だとお考えですか?
最近は、個人のスキルアップや情報交換はネットを利用して自宅でできますから、「音楽スタジオを使う理由」というのを明確にして、提供するサービスに向き合う必要があると思います。
具体的に教えていただけますか?
まずは、バンドのライブリハーサルは音楽スタジオの活用が必須ですから、この部分は最優先です。ライブパフォーマンスの練習用に鏡の配置を考えたり、お得な深夜パックを用意したり、次回の予約を入れて頂ければ、無料で機材を預かるなど、練習にじっくり向きあえる環境づくりを重視しています。良い機材を揃えることも大事ですね。
いろいろな楽器やアンプが使えるのはスタジオの魅力ですよね。機材類はどのように選ぶのですか?
多くの方に使っていただくので「良いもの」を定義するのはむずかしいのですが、どなたでも使いこなせるような使い勝手がよく、常に安定したクオリティで音が出る製品を選んでいます。もちろん、良い状態をキープするため、定期的なメンテナンスやオーバーホールはもちろん、スタッフも空き時間を見つけては機材のメンテナンスにあたっています。
レコーディング担当スタッフの名前がついた「稲荷REC」
レコーディングでスタジオを利用するケースも多いと思いますが、高田馬場店ではレコーディングサービスも行っているのですか?
当店はリハスタなのでプロ仕様のレコーディング環境というわけではありませんが、より多くの方にローコストでレコーディングを提供しようと始めた「稲荷REC」というサービスがあります。
特徴的なネーミングですが、どういった意味ですか?
レコーディングを担当するスタッフが稲荷という名前なのです。ちなみに、池袋西口店には、猪狩というスタッフがいて、同様に「猪狩REC」というレコーディングサービスがあります。まぎらわしいですけどね(笑)。
「稲荷REC」に「猪狩REC」ですか!覚えやすいと思いますが、オフィシャルな名前なのですか?
オフィシャルの名称です(笑)。
どのような狙いのサービスでしょう?
レコーディング専用スタジオで、プロのエンジニアと、相応の予算をかけて録音することの価値は大きいですが、やはりハードルが高いですよね。学生さんやアマチュアの方には予算の段階で難しい。
予算もそうですが、とくに最初は、気持ちの面でもハードルが高いかも。
「稲荷REC」は、そういう本格的なレコーディングの前段階というか、「入門編」のような感じで、音源制作をお手伝いしたいという気持ちからはじまったレコーディングパッケージです。自分たちで録音される場合のお手伝いや、レコーディング技術の習得にも活用していただけます。
高田馬場店にはレコーディング専用の部屋はありませんよね?
今はパソコンを使ったレコーディングで、良いマイクとインターフェースを使えば、録音自体は高音質な録音が可能です。あとは、録音の技術次第でハイクオリティーなものが制作できます。「稲荷REC」では、マイクを12本ぐらい使うこともありますし、きちっとパラメータを取って録音しますので、実際には、リハスタとはいえ相当クオリティーの高いものが出来ます。リリース作品の音源に使っていただいた例もありますよ。
コストパフォーマンスは抜群ですね。
はい、通常のスタジオ代+1時間1500円で、録音作業は一貫してその名の通り「稲荷」が全部担当しますのでおまかせ下さい。スタジオのパック利用も併用できるので、3時間で済めば1万円未満で、録音、ミックス、マスタリングした上でデーターのお渡しが可能です。
レコーディングがぐっと身近になります。
最近人気のメニューです。自分たちだけでは(録音作業の)限界を感じられているという方のサポートにもなりたいですね。
それにしてもネーミングセンスの良さが光ります。
そこは大きいと思います。名前でシステムを覚えてもらうのはわかりやすいですよね。全ては、稲荷のスケジュール次第、という部分もありますが(苦笑)。
音楽なんて「チャラい人」がやるものだと思っていた(笑)
では続いて、大塚さんと音楽との出会いについて教えてください。
僕は基本的にバスケ少年で、日々黙々と練習しているタイプだったのですが、中学生のとき、兄にベースをもらったのが音楽をはじめるきっかけだったと思います。
お兄さんにベースを譲ってもらった?
いや、兄はゲームでも何でも、いらなくなったものを、弟の僕の部屋に押し付けてくる人で(笑)。その、押し付けてくるモノのなかにベースがあったのですが、スポーツ少年にとって音楽なんて遠い存在で、偏見ですが、音楽なんて「チャラい人」がやるものだと思っていました(笑)。
それは、実に正しいかと(笑)。それが変化してきた?
カラオケに行っても歌わずに黙っているタイプだったのですが、中2の頃、友だちにのせられて、しぶしぶ歌っているうちに、「おや、これは楽しいかもしれない」と変化してきて、兄が置いていったベースを弾いてみるようになりました。
スポーツ少年がベースを手にした。次はバンドですね。
高校に入ってからバンドを組んでGLAYやラルクアンシエル、バンプ・オブ・チキンのコピーをして、Logicという音楽ソフトを使って作曲や音楽制作も始めて、大学では軽音サークルに入りました。
順調に音楽活動を続けてきましたね。ライブ活動などは?
僕は結構な小心者でして(笑)、ひたすら練習するだけで、大学構内では演奏しましたが、結局、大学時代は一回もライブはしませんでした。
僕らの仕事のコアである「練習場所を貸す」ことに向き合っていく
黙々と準備をする堅実な性格があらわれていると思います。卒業後は、音楽の仕事の方に進まれたわけですよね?
最初にお話した音楽関連のイベント会社で仕事をしていました。作曲は続けていたので、社会人になってからですが、仕事先での縁があってバンドを組んでライブハウスデビューしました。
今もバンド活動されているのですか?
今は個人的に作曲活動をやっているだけで、ベースオントップでのスタジオ、イベント業務に専念しています。
作ること、支えることに力を尽くされているのですね。それでは最後に高田馬場店、大塚さんからのメッセージをお願いします。
今日はいろいろなサービスのお話もさせて頂きましたが、僕らの仕事のコアは「練習場所を貸す」ことです。より充実した練習をしていただき、演奏にじっくり向き合える環境を作る、というところはブレないように、日々取り組んできたいと思います。そして、お客さまにひとこと「一緒に熱い音楽やろうぜ!」
最後に激熱なキャラが登場しましたね(笑)。これからもベースオントップに注目していきたいと思います。本日はありがとうございました。
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